Bookeater's Journal

洋書の読書感想文

"Less" Andrew Sean Greer

*四面楚歌る* どれが次の状況にふさわしいかひとつ選んでみて下さい。 (ア)孤立無援 (イ)五里霧中 (ウ)七転八倒 (エ)臥薪嘗胆 この本は4、5年前に新宿のBooks Kinokuniya Tokyoに行った時に買って、本棚で眠っていた(長い眠り)。ペーパーバックにしては…

"the Ground Mothers" Doris Lessing

*気持ちと味* また天才に出会ってしまった…。 ドリス・レッシングはイランで生まれ南ローデシア(現ジンバブエ)で育ったイギリス人作家です。 2007年にノーベル文学賞を受賞しています。 ウィキペディアさんによると、共産主義者で様々な差別や社会問題をテ…

"Me and Earl and the Dying Girl" Jesse Andrews

*どちらが先??* あら、あなた悲しい本は読みたくないっていつも言ってるじゃない?いいの?こんなタイトルの本読んで…?とご心配くださった方がもしいたとすればですが、ありがとうございます。この本大丈夫です…とは言え人によって涙点は様々なので断言は…

"Paris for One and Other Stories" Jojo Moyes

*老いなのか?体質なのか、何なのか?* 1年に1度か2度はやってしまうのである。 図書館に行き本を借りてきた。 最近アメリカの本ばかり読んでたから、イギリスの作家の本を探して、あまり難しくない軽〜いのがいいと思って、この本を読み始めた。 3分…

"Stoner" John Williams

*塵に同じ* この本を読んでる間ずっと頭の中で「祇園精舎の鐘の声」が鳴り響いていたのであった。 カラーンコローンカランカランコロン…これは鬼太郎の下駄の音だった…。キーンコーンカーンコーン…じゃなくて。ゴーン、ゴーン…これかな? 日本語のオノマト…

"Breakfast at Tiffany's" Truman Capote

*本とは一体誰のもの?* この本は読書会で読みました。 オードリー・ヘップバーン主演の映画がとっても有名だけど、もしかして若い人は映画も知らないのかもしれない。 読み始める前に「原作と映画はかなり違うらしい。どんなふうに違うか知りたいですね。…

"Book Lovers" Emily Henry

*前髪考* あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 ということで、今年も自分のペースで地道に読んで描いて書いていきたいと思っております。 できればもっとたくさん読みたい! 反省としてはスマホに時間奪われてないか?と言うこ…

"The Giraffe and The Pelly and Me" Roald Dahl

*悲しみのない世界* 「読書が趣味」とか人に言うと「どんな本読むの?」と聞かれるので「悲しい本と怖い本以外ならなんでも読みます」と答えることにしている。 だけど、厳密に「全く悲しくない本」というのは、ほぼほぼ存在しないと言っていいと思う。 ど…

"Skipping Christmas" John Grisham

*マリアさんの気持ち* 寒いのは苦手だ。 人間は何故冬眠しないのか。 熊は冬眠している時は何も食べないのか。 トイレにも行かないのか。 と、いろいろ考えるが、冬眠はできそうにないので、できるだけ冬を楽しく過ごしたい、と思い、冬らしい本を読んでみ…

"A Sound of Thunder" Ray Bradbury

*冬の花火* 今日は趣向を変えてカラーでお送りします。 黒い画用紙にクレヨンで描くのは単純に楽しい。 1ヶ月ほど前、"Hamnet"という小説を読んで、"Butterfly Effect"という言葉に取り憑かれていたのだった。 そういう話を誰彼構わずしていたら(迷惑?)、…

" the Love Hypothesis" Ali Hazelwood

*ブックカバー、再び* イヴリン・ウォーの「ブライズヘッド、再び」という小説が好きで、いつか英語で読みたいなーと思っています。タイトルかっこいいからパクってみました。この本とは全くと言っていいほど無関係なんですけど。はは。 数ヶ月前、「もう…

"Hamnet" Maggie O'Farrell

*今日も蝶は羽ばたく* Butterfly Effectってご存知ですか? 蝶の羽ばたきのような小さな小さな活動が何かに影響を与え、それがまた何かに影響を与え….それが次々に伝わって大きな結果へとたどり着く、そのような現象のことです。 Snowball Effect とかDomo…

"Owl at Home" Arnold Lobel

*おいしいのかな⁇* エルビスサンドイッチってご存知ですか?エルビスにとっては「おふくろの味」だったそうですが、パンにピーナッツバター、ジャム、バナナ、カリカリのベーコンを挟んでトーストしたものです。ジャムがストロベリージャムだったという説…

"Emil and Detectives" Erich Kästner

*一本漬けかピクルスか* 子供の頃からケストナーのファンで何度読んだかわからない。お母さん思いのエーミールにいつ読んでも胸がきゅんとなる。そして山高帽の悪党をとっちめる個性豊かな子供たち。もちろん最後は文句なしのハッピーエンドだ。 図書館に…

"The Secret Diary of Adrian Mole, aged 13 3/4" Sue Townsend

*50回です!!* いつも読んでくださっている皆さん、そして初めて読んでくださっている方々、今回この読書感想文ブログはめでたく50回目を迎えることが出来ました。 ありがとうございます。 ウキーっということで、これからも地道にがんばります。 現在何か…

"The London Eye Mystery" SiobhanDowd

*台風と観覧車と回転* 今現在台風6号の嵐の中でこれを書いている。と言うとなんかちょっとかっこいい。不謹慎だから大きな声では言えないけど、台風には人の心を浮き立たせるものがある。 非日常? 学校が休みになったり、電車が止まったり。人々はテレビ…

"Amsterdam" Ian McEwan

*情報の取捨選択* 子供の頃「アルプスの少女ハイジ」を見ながら「ハイジは一体いつお風呂に入ったりトイレ行ったりしてんのかな〜?」とよく思っていた。誰しもが持つ疑問なのか、そうじゃないのかわからんけども、そうなのだ。 「たけしは朝7時に起きてト…

"Lessons in Chemistry" Bonnie Garmus

*何故に被う?* 「あ〜、面白かった!読んでよかった…。」と心の底から思うことって実はそんなに多くない。この本はそういう本で、読後満足感が非常に高かったです。何か読みたいけど何にしようか迷ってる人…これ!お薦めします。ベストセラーになってドラ…

"The Sun Also Rises" Ernest Hemingway

*素晴らしき哉、文豪!* 有名な小説は、人に「何読んでるの?」と聞かれた時堂々と答えられるのがいい。タイトル名や作家名だけだとしてもみんな知ってるから、そこから話が進むのだ。これがマイナーな小説だとそうはいかない。知らないだろうな〜と思いつ…

"Kate and Leopold" James mangold, Steven Rogers

*正しいサンドイッチの具を選ぶ* この本は小説ではなくて映画の脚本です。その名も「映画で学び、英語をまなぶ!DHC完全字幕シリーズ」。見開きの左ページに英語と語彙などの説明、右ページに日本語訳と字幕文が書いてあって、辞書を引かずとも読めます。…

"Rilla of Ingleside" L.M.Montgomery

*世界の片隅で戦争を考える* 7冊目です。 「赤毛のアン」リーディングマラソンを去年始めたのだが、10月以降足踏みしていた。忘れていた訳ではなく、少し尻込みしていたのだ。だって、この本はすごーく悲しいに違いないと予想していたから。知りたくなくて…

"The Last Sentence" Tumelo Buthelezi

*ドアを開けよう* ドラえもんのひみつ道具ランキング第1位はほぼほ「どこでもドア」ってことになっている。経済的、時間的、空間的あらゆる問題を解決してくれるスーパー優れ物なのだ。 人間の想像出来るものは実現できるって説があるが(ロボットとか)、タ…

"Normal People" Sally Rooney

*彼らがそれを読む理由* マーマレードを作った。 トーストにバターとマーマレード。 甘くて苦い。苦くて甘い。おいしくてくせになる。 そういうことなんだろうな、と思う。 そもそも苦味とか酸味とか不味いとかいう味覚があるのはなぜなのか。体に毒なもの…

"Can't Hurt Me: Master Your Mind and Defy the Odds" David Goggins

*そして試練は続く* 「食べ物の好き嫌いが多い人は人の好き嫌いも激しい。」というのは、友人のお母さんの名言である。なるほどなと思う。 できるだけ公正で誠実な人でありたいと思っているが(本当です!)なかなか実行するのは難しいことだ。 この本はある…

"The Listerdale Mystery" Agatha Christie

*ゼロ地点に帰る* 夜な夜なパーティに出かけて(出かけないけど)、飲んだくれて(一滴も飲まないけど)…とにかく毎日のように外出していろんな人に会うような暮らしをする。すると自分を見失ってしまい、「あれ、私って誰だっけ!?」となる。そんな時はひとり…

"The Kite Runner" Khaled Hosseini

*emphasizeなのかsymphsizeなのか* この本はオンライン英会話の講師の南アフリカの先生が薦めてくれたので読んでみました。 日本の地方都市で英語の本を読むほぼほぼソロ活動をしているので、かなり本の話に飢えている。それで英語の本について語り合うこ…

"The Hating Game" Sally Thorne

*前回までのあらすじ* "Paddy Clark Ha Ha Ha"の悲しみに打ちのめされた私は、震える手でKindleを掴み、この本を購入したのであった…。 *How many biceps do you have?* 久しぶりにカラーにしてみたのは、やっぱりいちごは赤じゃなきゃ様にならないから…

"Paddy Clarke Ha Ha Ha" Roddy Doyle

*悲しみに殺られる* ズーンときた、もう。 この本はずっと本棚にあった。いつ買ったか覚えていない。1993年にブッカー賞を受賞して1994年に日本語で出版されているから、たぶん日本語で読んだか本屋で見かけてタイトルを知っていてロンドンの本屋で買った…

"The Wonderful Wizard of Oz" Baum L Frank

*どうしていつも3なのか* 最近子供の本ばかり読んでいる気がするが、「My Poiceman」の悲しみから立ち直れないせいだけではない。Amazon Unlimited 2ヶ月99円のお得感から無料で読めるKindleの本ばかり読んでいたせいでもある。 みんな知ってると思うけど…

"A Christmas Carol" Charles Dickens

*クリスマスを学びたい* あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 「なんだー、まだクリスマスとか言ってるのかー。」と言われても仕方ない。正直ちょっと怠けてました。すみません。 でも、日本では12月24日過ぎたら、はい、クリ…