Bookeater's Journal

洋書の読書感想文

"Skellig" David Almond

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*紫の線の人*

赤毛のアンラソンの途中ですが、ちょっと休憩。同じ作家の本をずっと読んでると飽きるので、ちょこちょこ色んな本を挟んで読んで行くことにします。普段は日本語の本を読む時でも同じ作家の本を続けて読むことはまずない。いくら好きでも毎日続けて同じ服を着ることも同じものを毎日食べ続けることもしない。飽きっぽいのかな…?

この本の日本語のタイトルは「肩甲骨は翼のなごり」というのですが、ずっと気になってて…文中の会話文 " Do you know what shoulder blades are for?" "They're where your wings were, and where they'll grow again."からきています。このタイトルいい。「スケリグ」だったらあまり日本では売れなかったかも。タイトル大事です。それでも相当長期間読まずにいたのは表紙の絵が悲しげだったので、悲しい話は嫌だなと思っておりました。最近ついに日本語で読んで見たところ、とてもよかったので早速英語でも読んでみた次第です。本は見かけで判断しちゃダメです。

Amazonで古本を購入。100円以下(送料別)。状態はよかったものの所々に紫のアンダーラインが引かれていて、なぜ紫?そしてなぜここに?といろいろ疑問が湧いてきてなかなかに集中力を削がれました。

児童文学です。舞台は現代のロンドン。マイケルという10歳の男の子が主人公で、新しい家に引っ越して来ます。新しい家だけど、古い家(!)これから家族でリフォームしながら住んで行こうということなのです。イギリスらしい。ペンキの臭いとか大丈夫なのかなーと思いますが。

裏庭に今にも壊れそうな物置があって、危ないから入っちゃいけないよと言われてるんだけど、入る(!)そこでマイケルは不思議な人物(?)と出会うのです。

まさに現実生活の中にファンタジーが入り込む、イギリス的ファンタジーストーリーなのです。(私の12番目のブログ"The Bortowers"をご参照ください。)

なんだか心洗われる希望のあるストーリーで、ウィリアム=ブレイクの詩が引用されていたりして、そこでまた詩を読んでみたりして(難しいけど)、レモンを絞った炭酸水だけを飲んで生きていきたくなります。(意味不明。)

最初は気になっていた紫の線も、ああこの人は知らない単語やイディオムに下線を引いているんだな、私もこの単語わからんなと理解するに至り、私と紫の線の人は無事読了に至りました。

古本も悪くないというお話でした。