Bookeater's Journal

洋書の読書感想文

"The Hating Game" Sally Thorne

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*前回までのあらすじ*

"Paddy Clark Ha Ha Ha"の悲しみに打ちのめされた私は、震える手でKindleを掴み、この本を購入したのであった…。

*How many biceps do you have?*

久しぶりにカラーにしてみたのは、やっぱりいちごは赤じゃなきゃ様にならないからだ。

どうしてこの本を読んだかと言うと、読書の悲しみを読書で癒す、いわば二日酔いの迎え酒のような動機なのですが、元々Kindleに薦められ、表紙の写真から映画化されているのを知って、本を読んだら映画を見ようと思っていたのでした。全米ベストセラーの映画化なんだって!

アメリカ人大丈夫か!?

小説もかなりバカバカしいんだけど、映画はもっと凄かった。誰が見てもお互いに好き同士の、付き合うのに何の障害もない男女がただただイチャつく363ページ。そしてヒーローはスーパーかっこいい男らしい…。ヒロインは散々コンプレックスで悩む。「私なんか彼に好かれるわけないわ。」みたいな。そんで男の方は何だか自信満々で少し強引だけど意味不明な紳士ぶり…わからん。全然共感出来なかった。自称歩く共感の私にとって珍しい体験でした。アメリカの多様性を垣間見る。

主人公女子が小柄で実家がいちご農家を営んでいる。それで同僚の男が彼女のことを「ショートケーキ」って呼ぶんですけど、付き合ってもないただの同僚なのにですよ!それで女の子は「その呼び方やめて」って言ってるのに「嫌がってるふりしてるんだろ」ってさー、それいいんですか!?イケメンだったら何してもいいのか!?「ショートケーキ」って確かにかわいいけどさ。私はそれはどうかと思った。

いや、単に好みの問題なのか!?映画の俳優さんも全然かっこよさがわからんかったし…これってルッキズム?いろいろ世の中が複雑になってきてラブコメも単純に楽しむことが難しい時代なのかもとも思います。

映画のオフィスとか部屋のインテリアとかカラフルで可愛くて、そういうデザイン的な部分はいいなーと思ったけど。

この小説を読んで最も心に残ったことは、作者がどれだけbicep(上腕二頭筋)が好きなのかという事実。後から数えとけばよかったと後悔しました。頻出ですよ!「His biceps are amazing.」ほんとにそう書かれている。腕は二本あるわけで、1人の人間は2つのbicep を持つ。そしてbiは2つという意味だから、ひとつのbicep は2つのcep?を持っている。2×2=4、つまり人間は4つのコブを上腕に持っているのである。って当たり前のことをもっともらしく呟いてみる。

上腕二頭筋お好きな方(なかやまきんに君とか?)はぜひ読んで見てください。