Bookeater's Journal

洋書の読書感想文

"Chronicles of Avonlea" L.M.Montgomery

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*シダを知りたい*

3冊目です。

あれ!?順番違うんじゃない?って言われるかもしれないけど、作者が書いた順番に読もうと思ってます。モンゴメリーも飽きたんじゃないかな…アンの話ばかり書いてたら。私も少し飽きてきていたので、丁度よかったです。

これは、アボンリーに住む人々を描いた短編集です。12のお話が楽しめます。一つ目のお話に出てくる男性は、一人の女性と15年間も付き合っててなかなか結婚の申し込みをしないマイペースな人なんだけど、その人の苗字が"Speed"っていうの、わは。そんなかわいいユーモアの散りばめられた本です。人情あり、ロマンスあり。

私が一番好きな話は、猫を飼っている男嫌いの女の人と犬を飼っている女嫌いの男の人がある事件をきっかけに仲良くなる…みたいな話で8つめに収録されています。これ、少し現代風にアレンジして話を膨らませたらいいラブコメになると思うなー。1時間ドラマとか、どうでしょうか?どなたか考えてみて頂けませんか?

モンゴメリーの小説にはいろんな植物の名前が出てきて頭の中に瑞々しいイメージが描かれる。薔薇、水仙、菫…植物の名前、勉強になります。意外なことに、これまで読んだ感想では、最も登場回数の多い植物はシダなんじゃないだろうか…。シダってジメジメしたところに生えてて裏返すと胞子が気持ち悪い…!ってずっと思ってたんだけど…シダさんすみません。モンゴメリーの小説では、あたかも(?)とても美しい植物のように描かれている。それで、カナダのシダをネット検索したりしてみましたが…。確かに日が当たると緑が透けてきれいだけど。ニュージーランドとかでも有名だよね…。

シダの魅力について知りたい!俄然シダに興味を持った次第です。図らずしてダジャレみたくなってしまった。そしていつかプリンスエドワード島に行ってシダを見てみたいなー、とおばさんの夢を膨らませたのでありました。ローラ・アシュレイとか着ていかんといかんのだろうか。

 

"Anne of Avonlea" L.M.Montgomery

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*大人の単語*

2冊目を読みました。字が小さくて時間がかかる。ページ数は276ページなんだけど。本のボリュームってページ数だけじゃ測れない。ワード数にしたら?1冊分のワード数数じゃ大きすぎて余計わかんないから、1ページあたりのワード数を表示するとか?でも、文体にもよるか…。いつも読んでる軽い本だと語り手は一人でずっと一人称だったりするから、どんどん読めたりするけど…読みごたえあります。

毎回字の大きさの話ばかりして申し訳ありません。今はかろうじて読めますが、小さい字が読めなくなったら、最終的にはKindleで字を大きくして読むしかないのかなと思います。それでも読めたら幸せかな。機器もどんどん進化して行くだろうし、Kindleばあちゃんになるのも悪くないと思う今日この頃です。

さて、この本の日本語のタイトルは「アンの青春」ということになっていて、1冊目のストーリーが終わった直後から物語が始まっているので、続けて一冊の本にしてもわからないくらい連続性があります。解説によると、1冊目がめちゃくちゃ売れたので、急いで2冊目を書いたということらしいです。

アンの「16才と半分」から2年間のお話です。16歳で学校の先生か…昔の人は大人になるの早いな…。学校の先生ならではの悩みも抱えていて…corporal panishment=体罰は是か非かという問題です。当時は先生が生徒を鞭で打つというのが当然のように行われていたようですが、アンは絶対体罰はしないと言います。それに対して友達のジェーンは体罰は必要という主義。二人に意見を求められたギルバートは、「体罰は確かによくないけど、どうしても必要な時の最終手段だと考えている」と答えるのでした。…如才無いな、ギルバート。

子供達の可愛らしい言葉とか手紙とか、楽しい場面もたくさんありますが、ギルバートファンの私としては少し物足りなく、前半はなかなか読む速度が上がりませんでした。しかし後半突然物語がロマンスの様相を見せ始め、ページをめくる手が止まらなくなります。だから、ロマンス好きの諸君は、しばし辛抱して読み続けてください。

ミス・ラベンダーという女性が登場するのですが、40歳くらいなのに少女のように可愛らしい人なのです。彼女が言うには、「I'm old…(中略)…I can't reconcile myself to it as most women seem to.」…うん、わかるな。当時の中年女性としては少数派かもしれませんが、現在の、少なくとも日本の女性にとっては多数派の意見なのかもしれないと思います。reconcile はbe reconciled to = reconcile oneself toの形で「甘んじる、折り合いをつける」みたいな意味なのですが、最近気になる単語です。ヘミングウェイも「移動祝祭日」という本の中でこの単語を使って冬のパリの風景を表現しています。「The trees were sculpture without their leaves when you reconciled to them…」…ステキです。天才だな。この単語は大人の単語だと思います。子供はあまり使わないけど、大人になるといろいろ折り合いをつけていかなければならない事が増えていくのです。味わい深い単語なのでした。

気になり始めるとあちらこちらでその言葉と出会う不思議さよ…こんな風に、単語帳の訳を読んだだけではわからない言葉の持つ深みを味わえるのは原書を読む喜びで、これからも色んな言葉を覚えていきたいと思います。

 

 

"Anne of Green Gables" L.M.Montgomery

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赤毛のアンラソン始めます!*

世の中の女性の例に洩れず、私も「赤毛のアン」が好きだ。でも、読むのは少し気合いがいる。なぜなら、アンはほんとに悪気はないんだけど、どうしようもない失敗ばかりするからだ。運も悪いし…。心が痛む。私の好きなのは、愚直なお利口さんで損ばかりするけど、最後にはご褒美みたいにハッピーエンドになるような人物…ジェーン・オースティンの作品で言うと「マンスフィールド・パーク」のファニー・プライスのようなタイプのヒロインだ。

でも、この度覚悟を決めて赤毛のアンシリーズ読破に挑戦しようと思う。人気があるだけに図書館にはどうやらモンゴメリーの小説がたくさんあるらしいし、子供の頃確か3冊目まで読んで挫折してしまったので、リベンジを試みる。とりあえず6冊。できるかな?

まず、文字が小さくて怯んだ。始める前から文句たらたらですみません。

あらすじは、少なくとも女性はほとんどみんな知ってるだろうから省略。字の小ささもなんのその、物語の力が強すぎてずんずん読めました。白状してしまうと、4分の3くらい読んで中弛みして、最後の方を少し盗み読みして、パワーをもらって、最後まで無事読むことが出来ました…。ギルバート…カッコよすぎる…。1冊目から涙。優しいマシューが大好きで、マシューが出てくる度に泣ける。子供の頃読んだ時はマリラが厳しくてあまり好きになれなかったけど、大人になって読んで見るとマリラの気持ちもわかる。歳をとることによってわかるようになる理解力ってあるんだな。歳とることも悪くないと思えました。

モンゴメリーはこの本が初めて書いた長編小説ということですが、なんたる才能でしょうか!?

2冊目も早速借りてきた。少し時間がかかるとは思うけど、読んだらまた報告します!

"The Uncommon Reader" Alan Bennet

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*読書会のすすめ*

毎週木曜日洋書を読む読書会に参加している。みんなで一冊の本を少しずつ読んで行くんだけど、同じ話でも人によって受け取り方も違うし、一人で読むと流して読む本もじっくり精読できる。本と関係ある話もない話もいろいろできて楽しい。日本で読書会というと参加者全員が違う本を持って来て紹介し合うものが多いのはなぜだろう。

読書会、始めてみませんか?

という訳で、この本はその読書会で読んだ本です。

以前日本語で読んだことがあり(邦題「やんごとなき読者」)、面白い話しだなと思っていましたが、英語で読むと、簡単な単語で書かれているんだけどよくニュアンスがわからないといった文章が多くて、薄いけど読みごたえあります。いいことか悪いことかはわかりませんが、最近わからなくても平気になってきたっていうか…いろいろ考えてわからなくてもまぁいいかと思います。気にしてたらきりがないよ!伸び代無限大!そういうプラス思考で行きたいです。

英国女王エリザベス二世が(実在の人物をフィクションの主人公にしている所がすごい)、ある日宮殿の傍で移動図書館に出会ったことをきっかけに読書に目覚め、その事が彼女の生活に変化を与えていく…みたいなお話です。女王って大変だな…。フィクションなんだけど、読んでるうちに本物の女王の話みたいに思えてきてかなり混乱する。本物の女王はどうかわかりませんが、宮殿には味方もいれば敵もいるみたいで、悪役的人物も出てきますが、滑稽に描かれているので憎めません。シニカルなイギリスユーモアたっぷりの本です。

この女王様が哲学的というか深イイ名言をたくさんお吐きになるのです。例えは「I think of literature as a vast country to the far borders of which I am journeying but cannot possibly reach.」(文学とは、そこに向かって旅してるけどおそらくたどり着けない遠い国境への広大な国土のようなものだと思う。)

ん?うーん。考えさせられます。旅はつづく…。続けましょう。

字も小さくありません!(最近文字の大きさは読書の上で結構重要です。)

 

 

"The Human Comedy" William Saroyan

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*本の中の本を読む*

本の中の本とは何か!?

本を読んでると、時に本の名前が出てくる。例えば登場人物が読んでる本とか、登場人物が好きな本とか…。そういう本の一般名称は知らないが、私は「本の中の本」と呼んでいる。

そういう本を読むのは楽しい。自分では選ばないような本の時もあるし、元々読んでいた本の理解が深まるような気もする。読書を通して自分の世界が広がるような感じがするのです。錯覚かもしれないけど。

本の中の本を読んで、その本の中の本を読んで、またその中の本を読んで…と無限のマトリョーシカが出来たらよいなと思うが、なかなかそう上手くはいかない。なぜなら、本の書名が出てくる本は少ないからだ。

この本もそういう「本の中の本」でした。

前々回に紹介した" The Bookish Life of Nina Hill "という本の中で、主人公が働く本屋さんのオーナーが主人公にこの本を薦めてこう言います。" Some People say he's too sentimental, but I think he's one of the few writers brave enough to write about the intense beauty of love and joy and the ugliness and fear they sometimes cause."…読んでみたくなりませんか?それで図書館で借りて来ました。

昔、サローヤンの翻訳が文庫本で何冊か売られていた時期があって「ママ、アイラブユー」とか、読んだ覚えはあるのですが…なんかかっこよさげだからという不純な動機で読んだためか全く覚えていない…。まっさらな状態で読みました。

とても読みやすい。中学生でも読めるようなシンプルな英語で書かれている。1章が短く各章にタイトルがつけられているので、励まされる。それなのに本を閉じる度に言葉を反芻して宙を見つめてぼーっと考えてしまう様な本でした…。

第二次世界大戦中のアメリカで、家族の生活を助けるために電報の配達のアルバイトをする高校生の家族や周りの人々の物語です。人間って可笑しくも悲しい愛おしい存在であるっていう意味なんでしょうか、この素敵なタイトルは。あまりに人々が善良で宗教的でついていけない部分もありますが、読んでよかった。

作者はアメリカ人でアルメニア移民の二世であると知り、アルメニアについても少し調べたりして勉強になりました。世の中は知らないことでいっぱいです。同じ作者の他の本もいつの日か読んでみたいと思います。

 

"Stuck On You" Portia MacIntosh

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この本もKindle さんに勧められて読んだ。

本を読むかどうか決める時あらすじを参考にすることが多いと思うんだけど、英語の本だとあらすじも英語で書いてあって(当然)、時々わ〜読むのめんどくさいとなることがある。じゃあ読むなって話です。

週に2日ある職場で働いている女の子が、引き出しの中にポスト・イットに書かれた短いメッセージを見つける。それに返事を書いて、返事が来て…文通みたいになる…はい、読みます!って感じで読み始めました。手紙文学(?っていうのかわからんけど)大好きです。それは「あしながおじさん」が愛読書だった子供の時から脳に刷り込まれているのでした。

Damianって男の人が出てくるんだけど、素敵なお名前です。キャラもかわいくてかっこよくてよかったです。品が良いというか、罵り語が少ないのもよかった。少しならいいけどあまり連発されるとうんざりしてくる。イギリスの小説だからかな。アメリカの小説の方がマッチョな男性が出てきて罵り語を連発し女性を「baby」とか言ったりする…っていうかそういう男性が人気があるんでしょうね…。ブライアン・アダムスの曲聴いて「きゃー」ってなっちゃう気持ちわかりますけど。イギリスではポーカーフェイスで何を考えているかわからないけど、いざと言う時は男らしさを発揮みたいな人が好かれるのかな?スティングみたいな!?あくまで私の個人的印象でした。他の国もリサーチしてみたいです。

クリスマスから新年にかけてのホリデームード満載のお話なので、冬に読むことをおすすめします。

 

"The Bookish Life of Nina Hill" Abbi Waxman

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*宝探しに出かけよう*

この本大好きです!!

図書館で借りたんですけど…最近図書館で借りた本当たり続きだな。図書館行くの時々めんどくさい。それでも行くのは、このような思いがけない本との出会いがあるから。本屋も然り。Amazonでしか本を買わないって言う人もいるが、ずらりと並ぶ背表紙を流し読みしながら、本を取り出してはパラパラして、読みたい1冊を見つける喜びは何物にも替えがたいものです。本棚の一番下の段をクラウチングで見たあとスックと立ち上がると激しい立ちくらみに会うのでご注意ください。あなたの近くの図書館または本屋で、書棚にしがみついている人を見かけたら、その人は書棚が好きすぎて抱きついている訳ではありません。蝉のものまねをしているのでもありません。立ちくらみで「うっ」となっているだけなので、優しく見守ってあげましょう…。

bookish ってかわいい響きだな。bookishな女の子のお話です。共感。主人公は本屋で働いているので、のっけから「Pride and Prejudice」を読んだけど面白くなかったから返金してくれという客がやって来たり…(殺意)…いろんな本のタイトルや作家の名前が出てきて本の好きな人は楽しめると思います。各章ごとに主人公の手書きの予定表が付いていたり、それからクマのプーさんみたいに「第1章  ここにおいてNinaは~する」みたいなタイトルがついてる…本好きにはたまらない仕掛け満載でした。

Ninaは本が好きでどちらかと言うと一人でいるのが好きなタイプなのですが、いろんな思いがけない出来事が起こって少しだけ変わって行くのかな…みたいな話です。もちろん恋の話もありますよ。