Bookeater's Journal

洋書の読書感想文

"Anne of Avonlea" L.M.Montgomery

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*大人の単語*

2冊目を読みました。字が小さくて時間がかかる。ページ数は276ページなんだけど。本のボリュームってページ数だけじゃ測れない。ワード数にしたら?1冊分のワード数数じゃ大きすぎて余計わかんないから、1ページあたりのワード数を表示するとか?でも、文体にもよるか…。いつも読んでる軽い本だと語り手は一人でずっと一人称だったりするから、どんどん読めたりするけど…読みごたえあります。

毎回字の大きさの話ばかりして申し訳ありません。今はかろうじて読めますが、小さい字が読めなくなったら、最終的にはKindleで字を大きくして読むしかないのかなと思います。それでも読めたら幸せかな。機器もどんどん進化して行くだろうし、Kindleばあちゃんになるのも悪くないと思う今日この頃です。

さて、この本の日本語のタイトルは「アンの青春」ということになっていて、1冊目のストーリーが終わった直後から物語が始まっているので、続けて一冊の本にしてもわからないくらい連続性があります。解説によると、1冊目がめちゃくちゃ売れたので、急いで2冊目を書いたということらしいです。

アンの「16才と半分」から2年間のお話です。16歳で学校の先生か…昔の人は大人になるの早いな…。学校の先生ならではの悩みも抱えていて…corporal panishment=体罰は是か非かという問題です。当時は先生が生徒を鞭で打つというのが当然のように行われていたようですが、アンは絶対体罰はしないと言います。それに対して友達のジェーンは体罰は必要という主義。二人に意見を求められたギルバートは、「体罰は確かによくないけど、どうしても必要な時の最終手段だと考えている」と答えるのでした。…如才無いな、ギルバート。

子供達の可愛らしい言葉とか手紙とか、楽しい場面もたくさんありますが、ギルバートファンの私としては少し物足りなく、前半はなかなか読む速度が上がりませんでした。しかし後半突然物語がロマンスの様相を見せ始め、ページをめくる手が止まらなくなります。だから、ロマンス好きの諸君は、しばし辛抱して読み続けてください。

ミス・ラベンダーという女性が登場するのですが、40歳くらいなのに少女のように可愛らしい人なのです。彼女が言うには、「I'm old…(中略)…I can't reconcile myself to it as most women seem to.」…うん、わかるな。当時の中年女性としては少数派かもしれませんが、現在の、少なくとも日本の女性にとっては多数派の意見なのかもしれないと思います。reconcile はbe reconciled to = reconcile oneself toの形で「甘んじる、折り合いをつける」みたいな意味なのですが、最近気になる単語です。ヘミングウェイも「移動祝祭日」という本の中でこの単語を使って冬のパリの風景を表現しています。「The trees were sculpture without their leaves when you reconciled to them…」…ステキです。天才だな。この単語は大人の単語だと思います。子供はあまり使わないけど、大人になるといろいろ折り合いをつけていかなければならない事が増えていくのです。味わい深い単語なのでした。

気になり始めるとあちらこちらでその言葉と出会う不思議さよ…こんな風に、単語帳の訳を読んだだけではわからない言葉の持つ深みを味わえるのは原書を読む喜びで、これからも色んな言葉を覚えていきたいと思います。