Bookeater's Journal

洋書の読書感想文

"Breakfast at Tiffany's" Truman Capote

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*本とは一体誰のもの?*

この本は読書会で読みました。

オードリー・ヘップバーン主演の映画がとっても有名だけど、もしかして若い人は映画も知らないのかもしれない。

読み始める前に「原作と映画はかなり違うらしい。どんなふうに違うか知りたいですね。」と読書会の人達と話した。

そもそも原作者のトルーマン・カポーティは映画化する時、ヒロインのホリー役をマリリン・モンローにやってほしかったのだが断られたそうだ。そして、この映画のエンディングが原作と違いロマンティックなハッピーエンディングになってしまっていることに激怒していたとのことです。

私も本を読んだあと映画を観てみたのだが、途中退屈してホットカーペットの魔法により居眠りしてしまった…。

原作では、語り手である売れない小説家はホリーの忠実なる下僕で、そこがかわいい。少女漫画によく登場する永遠の片想いをしているタイプ。

しかし、映画ではジゴロのようなマッチョマンになっていて、なんだか不必要に上半身裸でベッドに寝そべっていたりして、うんざり。アメリカではこういう男がウケるのか…?それとも作る側がそう思っているだけなのか。わからんが、私的には「それは…台無し!」な感じだった。

それから、どうしてもオードリー・ヘップバーンの喋り方と声があんまり好きじゃないんですよね…。なんて言ってるかよくわからんし…これも完全に私的な好みです。オードリーファンの方には申し訳ないけど。

昔の映画だから仕方ないのだか、気になったのは始終喫煙飲酒しまくってるし、受動喫煙させまくってるし、あと許せないのは吸殻をそこらじゅうにポイ捨てしまくっているところ。「ピピーッ!レッドカード。退場!」と私の中のジャッジマンが叫ぶのだった。

ニューヨークの街の風景が楽しめるのはいいなと思いました。

ニューヨークを舞台にしたロマンス映画では、ヒロインはほぼみなあのアパートに住んでますね!レンガでできた、入口に階段のあるあのブルックリンのアパートメント!

同じ町を舞台にしたいろんな時代の映画を一気見してみると楽しいかも…。

そして、どんな原作であれ、この順番は正しくない。本を読んだあと映画やドラマを観てがっかりしなかったことはあまりない。映像のあと本を読む方がいい。これもあくまで個人的意見です。

誰だったか忘れたが、ある作家が言っていた言葉がある。それは「本とは出版されたら読者のものなのです。それをどう解釈しようと読者の自由であって、作家がとやかく言うべきではない。」というものです。潔い。確かに自分の作品を作った当人が解説するのは無粋な気がする。

読者としても自由に読んで自由にいろいろなことを考えたい。

ましてや映画となると、作家はその権利を売ってかなりの金額を手にするわけだから文句は言えないのではないか。もし、文句を言いたくなるようなら売らなければいいし、自分で脚本を書くとか監督をする人もいる。契約の時に条件をつければいいのだ。

この本の話に戻りますが、100ページ足らずで長くないし、 文章も素敵でどことなくおしゃれです。

大人のためのおとぎ話みたいだなーと思う。野良猫みたいな女の子がティファニーのような理想郷を求めて旅を続けている…そこが現代の(?)ニューヨークだから問題が起きる。

当時(第二次世界大戦中?)の雰囲気やスラングも味わえるし、読んでるとちょっとかっこいいしおすすめです。

ただ、簡単な単語ばかりの文章でも油断してるとなんのこっちゃら意味わからんというような状態に陥ることがままあるので注意。これってアメリカ文学っぽい!?って勝手に思ってます。

ティファニーでは朝食も昼食も夕食も食べられなかったのですが(宝石店だからね…)、なんと、2017年からカフェができて、予約をすれば朝食食べられるらしいですよ!カポーティもびっくりだよ!

どんな朝食かな〜、食べてみたいな〜と夢が膨らむのでした。