Bookeater's Journal

洋書の読書感想文

"The Kite Runner" Khaled Hosseini

f:id:Bookeater:20230326203059j:image

*emphasizeなのかsymphsizeなのか*

この本はオンライン英会話の講師の南アフリカの先生が薦めてくれたので読んでみました。

日本の地方都市で英語の本を読むほぼほぼソロ活動をしているので、かなり本の話に飢えている。それで英語の本について語り合うことはほんと夢のような話なのですよ!テクノロジーすごい!人間すごい!文明に感謝する今日この頃です。

たぶんこの人は英語で小説を書く唯一のアフガニスタン作家なのではないかと言われています。

恥ずかしながら、私はは歴史とか政治とか地理とかにうとく、アフガニスタンと言われても危ないところというイメージしか湧かなくて、きっと悲しくて怖い話だろうと恐る恐る手に取りました。

確かに前半あまりの衝撃に本を閉じテーブルの上に突っ伏してしまう…残りあと30ページくらいになってあまりの悲しみに本を閉じてしまい「わわわ、また明日読もう」と思ったもののもう一度読み始めるまでに2日ほどかかってしまう…などしましたが、物語の終わり方が希望のあるものだったので、読後感はとても良かったです。

そして、読み終わった時、頭の中の青空に色とりどりの凧が鮮やかに浮かんでいました…。タイトル通りです。

知らなかったけど日本語にも翻訳されてるようです。(邦題「君のためなら千回でも」)。日本の出版社がんばってるなーと思います。

読んでる途中あまりの知識のなさに歴史の本を読んだりして勉強になったけど、小説の中では自分がその場にいるように歴史を「体験」できるので、歴史の本をただ読むより頭に残るし感じることもできます。

アフガニスタンの人の書いた小説なんて滅多に読む機会がないし、小説としてもとても面白いいい本なので興味がある方はぜひ読んでみてください。

本の登場人物の感情に影響されて、悲しさと愉快さと行ったり来たりしてしまっている私ですが、世の中の読書家の人々は自分の感情をどう始末しているのでしょうか?どうも私は人よりも共感力が強いのかなーと最近思い始めています。

英語には「emphasize」と「symphsize」という言葉があり、前者の方がより深い共感(自分でもその感情を経験したことがあるような時に使うらしい)を表すということなのですが、自分が感じているのが果たしてempathyなのかsympathyなのかわからない。

わからないけど、それがどちらか判断できるのは自分自身のみなのかもしれません。