Bookeater's Journal

洋書の読書感想文

"Rainbow Valley" L.M.Montgomery

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*厳正なる審査の結果*

6冊目です。

アンとギルバートには6人の子供がいて(昔の人はすごいな…)、この本はその子供達と近所に引っ越してきたメレディス家の子供達のお話です。が、実際に話の中心となるのはメレディス家の子供達の方で、アンもギルバートもチョイ役程度にしか出てこない。モンゴメリさんはやっぱり「赤毛のアン」じゃないお話が書きたかったのかと思われます。

6冊読んで大体パターンが読めて来たぞ。本の真ん中当たりから物語はロマンス小説の様相を帯びてくる。そしてハッピーエンドでめでたしためでたし…どの本も(1冊目以外は)そんな感じです。モンゴメリは本当はロマンス小説が書きたかったのでしょうか。ロマンス小説の長編もいくつか書いています。「青い城」とか。日本語で読んだけど、いつか英語でも読んでみたいなーと思っています。

アンの長男がJemっていう名前で(たぶん15歳くらい?)、その少年がいつも夕方家に帰る時お母さんに花束を作って持って帰るというところがよかった。それから、次男がWalterで、優しい、暴力とか大嫌いな子なのですが、ある日クラスメートからお母さんを侮辱されて喧嘩して怪我をして帰って来る。それでアンが傷の手当をしてあけるんだけと、「Are all mothers as nice as you? You are worth standing up for. 」と言ってお母さんをハグ…ぎゃぴー!全国の疲れたお母さん達に読ませたい。このシーンは世界お母さん遺産(World Mom's Heritage略称WMH)に認定致したいと思います。かと言って自分の息子にやってもらいたいかっていうとそうでもない…。日本人には無理なのか!?アンとウォルターだから許されるのか!?夢の世界の素敵なお話です。

この本の中ではアンの娘たちはあんまり存在感がありません。今後の活躍に期待しましょう。

この本は1919年に出版されています。第一次世界大戦中のせいか、話のあちらこちらに戦争の影が…。そして、物語は一応ハッピーエンドで終わるのですが、子供たちの未来に戦争という苦難を匂わせる…。悲しいなー。最後まで読み続けることができるか少し不安です。あと6冊もあるぞ。道未だ半ばなり。いやにならない程度に少しずつ読んで行きたいと思います。