Bookeater's Journal

洋書の読書感想文

" the Love Hypothesis" Ali Hazelwood

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*ブックカバー、再び*

イヴリン・ウォーの「ブライズヘッド、再び」という小説が好きで、いつか英語で読みたいなーと思っています。タイトルかっこいいからパクってみました。この本とは全くと言っていいほど無関係なんですけど。はは。

数ヶ月前、「もう、読んでる本をブックカバーで被うのはやめよう。自分の読んでる本を堂々と世間に知らしめるのだ」的なことをこのブログに書いた気がする。いや、そんなに強気な発言ではなかったかもしれんけど。

しかし、その舌の根も乾かぬうちに、すごすごと家にあった包装紙をカッターで切り抜き、ペーパーバックを包み込むという事態に追い込まれる。

だってね、この本の表紙、ちょっと抵抗あったんですよ。電車の中とかで読むには。

そこで、はい、みなさーん、ちょっとググってみてください。

どうでしょうか…。表紙一面にキスする男女のあまりかわいくないイラストが、ある。別にいいんだけど。人の目を気にしすぎでしょうか。

自意識過剰、なんだろうな。電車の中でニーチェとか読みたいな。全然楽しくないけど、かっこいいかもな、とか思ったりする訳です。

誰も見てないんですけどね…。

表紙がどうのこうのといいながらも紀伊国屋書店で購入した本です。

最近こういう理系タイトルの本ばかり読んでる気がする。好きなんでしょうか…。おそらく、自分に欠けてるものに憧れているのでしょう。

主人公は癌の研究をする大学院生で、ある事情からフェイク彼氏が必要となり、その瞬間にやって来た人物に行き当たりばったりでキスする羽目に陥る。そして、その相手がたまたま(!)イケメンの天才科学者で、性格悪いと評判の男だったが実は案外いいやつで、しかも彼女のことがずっと好きだったという、結構なお話でした。

さすがに「それはない」と騙されやすい私でも思ったが、読んでる瞬間は「あらまぁ」とか思ってしまう。

フィクションだからなんでもありです。

ただ、ひとつだけ気になったのは、主人公の自己評価があまりにも低いこと。

地味なヒロインが結構好きな私でも(なんと言っても、ジェーン・オースティンのヒロインの中で一番好きなのは「マンスフィールド・パーク」のファニー・プライスな訳ですから)、さすがにどうかと思う。

謙虚さは美徳だ。

でも、「控えめな女=かわいい」という方程式が常に正解な世の中では、女性の大統領は生まれないのではないか。

ヒロインにも多様性を!

ということで、今度は強い女の人が出てくる小説を読みたいと思います。

そして、本に優劣をつけるのは、書いた人に失礼だし、やっぱり本は覆わない方向でがんばって行きたいと決意を新たにしたのでした。